ドライフラワーのリボンリース
コットンのリボンとハーフの形が特徴的なドライフラワーリース。自然で優しい色合いのドライフラワーでリース作りを楽しみましょう。
リースベースに花や実をひとつずつ配置しながら、グルーガンでとめていき...
CRAFTINGをご覧いただいている皆様、こんにちは。
今日の東京はお昼からあたたかい日になりました。
雪深い地域の皆様は、まだ寒い日が続いていることと思います。
少しでも心がほぐれる時間になりますように。
本日からレッスンをご紹介いただいた作家さんに講座にまつわるお話しから、作家さんになられた
きっかけなど、いろいろなお話しをご紹介する記事を皆様にお届けしていけたらと思っています。
どうぞおつきあいいただけたら幸いです。
第一回目は、ドライフラワーのレッスンを2講座、CRAFTINGで開講いただいている
花や蔦ひつじ 戸川麻喜子さんにお話しをお伺いしてきました。
「子どもの頃から、いいときもわるいときも、いつもそこに花があった。
お花に導かれるように、花屋さんになるのが一番自然な気がしたんです」
「単純に子どもの頃からお花が好きで、お花屋さんになりたかったから」と戸川さん。
お花をいつも飾るような習慣のあるお家だったのですか?と尋ねると
「母が救命救急の専門スタッフだったこともあって、日々多忙で親戚の叔母の家に
預けられることが多かったんです」
コロナ禍の折、医療従事者の方のご家族の今とも、どこかリンクするような情景に
胸が痛くなる瞬間でした。
「叔母は生け花の先生が出来るくらい、腕のある人で、玄関のドアを開けると
パーンといつも季節の花が毎日出迎えてくれるような、そんな家に育ったからかもしれませんね。
いいときも、わるいときも、玄関開けると毎日そこに花があって。
今思えばですが、うれしいことも、悲しいことも、大人にはうまく伝えられない子どもならではの、
もやもやっとした思いも『いつもそこに花があること』に励まされていたような気がします。
いろんな言葉をかけてくれる大人たちもいたんですけど、私はどちらかというと、
無言のメッセージとでもいうのでしょうか、ただ黙って寄り添ってくれているような、
花がそこにだた存在してくれていることに癒されていたように思います」
花の持つかたち、色、香り。何も語らなくても、心にあたたかな明かりを灯してくれるような豊かで確かな存在。
幼いころの体験に導かれるように、自然と花屋さんになった戸川さん。
▲お話しをお伺いしたフラワーデザイナーの戸川麻喜子さん
ご主人と二人三脚で営む店舗は、店名もふたりで考えたオリジナル。
「お子さんにも『今日ひつじに行こうよ』と覚えてもらいたかった」
ご夫婦で営んでいらっしゃる『花や蔦ひつじ』さん。
仕入れはすべてご主人が、レッスンは戸川さんが担当しています。店名もおふたりで考えたそう。
「主人が『蔦』が好きで。花屋だし、花材を入れた店名にしようと」お花屋さんの名前によくある
「英語やフランス語の店名は俺の世界観にない」と最初からはっきりしていたご主人。
「それに子供でもおぼえやすいように動物の『ひつじ』をくっつけたんです。
今日ひつじに行ってくるねって言ってもらえるようなお花屋さんになりたかった。
そして、漢字とひらがなを織り交ぜて。全部漢字にすると“ようかん”みたいになるなって言って(笑)」。
お子さんがおぼえやすいように、という考えは、おふたりのお子さんがいる戸川さんならではの
ママ目線での発想なのかをお尋ねしてみると
「それもありますが、私が小さいころからお花屋さんに行くのが好きだったこともありますかね」と
幼い頃の思い出をもう一度、語ってくれました。
「子どもの頃、母の日に近所のお花屋さんに行って、白とブルーのカーネーションを下さいって言ったんです。
母が好きな色がブルーと白だったから。そしたらお花屋さんにそれは止めなさい、
死んだ人にあげるお花の色だよ」、と言われて。
でも私はお母さんが好きな色のカーネーションをあげたかった。何でダメなの?って。
その後も何回もそのお花屋さんに通ってお願いして。そしたらついに
「あなたそんなにお花が好きでこだわりがあるなら、お花屋さんになったらいいよ!」と
言われたことを思い出しました(笑)」
お子さんが気軽に、大好きな人に大好きなお花が買える店。
「お母さんに喜んでほしいから花を選ぶ」というまっすぐな思いは、そのまま今も
「お客様に喜んでほしい」という日々のアレンジづくりにつながっています。
▲黒と白でまとめられた看板は、いい意味でお花屋さんらしくない、おしゃれなオトナの雰囲気が漂う
「エリアはとにかく市場に近いこと。店舗面積はレッスンスペースが確保できること。
あとはお客さんといっしょにお店の在り方を決めていったような気がします」
神奈川県川崎市の武蔵新城駅から徒歩7分ほどの静かな住宅街のなかに、お花屋さんとレッスンを行う
ワークスペースを兼ねた店舗『花や蔦ひつじ』さんがあります。
3年ほど前からこの地でお花屋さんをはじめ、店舗面積は約43坪ほど。
花の仕入れは朝が早く、午前2時半、仕入れの回数は、月、水、金と週3回。
「体力を温存しながらじゃないと続けられないから、市場には近ければ近いほどいいんです」
不動産屋さんへの依頼は「とにかく、大田市場に近くて駅から徒歩5分くらいのところで」
▲ふわふわ感が一緒な愛らしいひつじのモチーフとドライのコットンフラワー
▲店内はジャズ音楽が流れ、店内はまるで花がたくさんあるインテリアショップのような趣き
店舗に入ってすぐ、天井からはワイルドフラワーをドライにした花材が降り注ぐかのように飾られ、
よくあるお花屋さんの奥にどんと置かれている大きな花材用冷蔵庫はありません。
仕入れの花材へのこだわりは「はじめは、自分が売りたいものを自分が仕入れて売るというスタイルでした。
例えば、普通のお花屋さんにあるような胡蝶蘭を無理やりにでも置いて、という発想はなかったですね。
ご近所のお花屋さんとうちでは趣きが違っていると思います」
▲フレッシュの花々は花瓶に、ドライは天井にハンギング。 アナベル、かすみ草、 ホウズキ、ラナンキュラスなど
店内は、ヴィンテージの質感のある木のしつらいや調度品が並べられ、ワイルドフラワーの造形や色合いと
やさしく馴染んでいます。まるでインテリア雑誌のなかに迷い込んだような雰囲気。
「店内はすべて主人があつらえたものなんです。DIYが好きで。本当は建築関係の仕事に興味があるくらい、
インテリア好きなんです」どこを切りとっても絵になる佇まいは、花と暮らしが調和した住まいのお手本のよう。
▲天井をあおぐと整然と吊り下げらているドライフラワーの花々
▲無造作に置かれた花器や椅子などの什器もすべて戸川さんのご主人のセレクト
最初からワイルドフラワーのドライを扱おうと決めていたのかをお伺いしてみました。
「お客様のご要望にお応えしていたら、自然とそうなっていた感じですね。
だんだんとドライフラワーのアレンジやブーケなどオーダーいただくことが増えてきて。
そうなると、事前に花材を用意することが増えてきたんです。お客様のご要望にお応えしながら、
市場でフレッシュ(新鮮な)の花材を仕入れては、ドライフラワーにするために店舗の天井に吊るして。
フレッシュな花材でリースでつくって、お客様のもとでドライフラワーになっていくケースもあります。
そういう場合は、ドライにする前提で、ドライに向いている花材をご提案しますね。
日本は梅雨時になると湿度が80%くらいになるケースもありますから。
その点、ワイルドフラワーは簡単にドライにできるので、失敗が少ないんです」
よそよそしさがなく、落ち着いたどこか懐かしい感じ。店舗というより、住まい。
そんな場所が花や蔦ひつじさんです。きっと戸川さんご夫婦とお客様の間で、
本当に居心地がよく、センスのよいものだけが残され選ばれているから。
まるでご自宅に招かれたかのような、あたたかさに包まれる時間でした。
今週のCRAFTINGマガジンはこちらでおしまいです。
来週は昨今大人気のワイルドフラワー(別名:ネイティブフラワー)や
リースの由来、CRAFTINGにご紹介いただいている戸川さんのレッスンへのこだわりについてご紹介します。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
皆様、今日もコロナに気を付けて、健やかにお過ごしください。
そして、遅ればせながら、本年もCRAFTINGをよろしくお願いいたします。
コットンのリボンとハーフの形が特徴的なドライフラワーリース。自然で優しい色合いのドライフラワーでリース作りを楽しみましょう。
リースベースに花や実をひとつずつ配置しながら、グルーガンでとめていき...
木の実やコットンフラワー、ゴールドのグレビレアの葉などを贅沢に使ったドライフラワーのリース。アクセントにネイティブフラワーを組み合わせて、他にはないスペシャルなリースを作ります。
先にいくつかの...
ライタープロフィール
・CRAFTINGスタッフ
CRAFTINGでコンテンツを担当しています。
4月から小学校入学の娘の通学バック関係がやっと作り終わったと思っていたら、
次はピアニカケース!が必要なようです。パイピングが上手に縫えるといいのですが…。
皆様、今、何の手づくりを楽しんでいらっしゃいますか?